東京アスリート認定選手・インタビュー(42)浦哲雄選手(江戸川区・港区) バドミントン(2019/2/18)

浦哲雄選手の写真
【プロフィール】
  • うら・てつお 1975年4月2日生まれ。日本オラクル株式会社所属。
  • 障害:右前腕部切断
  • 2017年 ペルー国際大会
    • 混合ダブルス1位 男子ダブルス2位
  • 2017年 ジャパン国際大会
    • 男子シングルス2位 男子ダブルス3位
  • 2018年 ブラジル国際大会
    • 男子ダブルス1位 男子シングルス3位 混合ダブルス3位
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東京2020パラリンピックから正式競技となるパラバドミントンは、ランキング上位の日本人選手も多く、メダル獲得を期待されている競技のひとつです。今回、日本のパラバドミントンを牽引してきた浦哲雄選手にインタビューを行いました。


2019年は混合ダブルスのペア練習を強化して、
世界ランキングを上げていきたい。

〜「東京アスリート認定選手」に選ばれたお気持ちはいかがですか。〜

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以前より他の選手から東京アスリート認定選手についての話を聞いており、良い制度だと思っていました。3年前に福岡から単身赴任で東京に出てきて、いま活動拠点にしている江戸川区をはじめ東京のために役立ちたいと思います。


〜現在、江戸川区や町田市などの小学校を訪問して、競技の魅力を伝えていますね。〜

児童たちと一緒にシャトルを打ち合うのも楽しいですが、先生たちとプレーすると児童たちが盛り上がってくれるので嬉しいです。子どもたちとの触れ合いが、自分のモチベーションアップにも繋がっています。


〜バドミントンを始められたきっかけを教えてください。〜

僕の場合は事故により右手を失ったことで障害者になったのですが、健常者の中では何をしても上手くいかずに自信を失っていました。そんな時、同じように障害を持つ友人から障害者スポーツセンターに誘われ、そこでバドミントンを体験し、楽しいと思ったのがきっかけです。


〜始めた頃のエピソードを教えてください。〜

始めた頃はスマッシュで点が取れることが楽しかったですが、それだけでは勝てない部分が出てきました。苦労したのはサーブです。最初は左手でシャトルとラケットを持ち、サーブを打っていましたが、日本選手権や国際大会で障害のある手にシャトルを乗せてサーブを打つ選手の姿を見て、それをお手本にしたサーブを習得しました。また、健常者と一緒に練習をすることから、打ち方やフットワークを覚えるなど、経験から学んだところが大きいです。


〜今までで印象に残っている試合はありますか。〜

2013年に町田で行われた東京国体でシングルスとダブルスで2冠になったことが思い出深い試合です。逆に悔しかったのは、優勝した翌年に初戦で負けてしまったことです。


〜ご自身の競技の強みは何でしょうか。〜

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ラリー力です。相手よりも1本でも多くラリーをして、相手のミスを誘ったり、自分の攻撃チャンスを増やしたりしています。そして、ポイントを取ったら声を出して自分を鼓舞することができるところも強みかと思います。今後の課題は、もう少し攻撃力をつけていくことです。そうすれば勝てる試合も増えると思います。


〜2018年を振り返ってみていかがでしたか。〜

今年は、スペイン、トルコ、タイ、日本、ブラジル、インドネシア、オーストラリアでの国際大会に出場しました。タイでは強豪国インドネシアも参加するレベルの高い大会でしたが、そこで入賞できたのが良い経験でした。ブラジルでは時差が12時間あり移動も大変だった上、ホテルにはコインランドリーもなく、洗濯も全部自分で手洗いするような環境でしたが、ダブルス、シングルス、ミックスダブルスでもメダルが獲れて、世界ランキングを上げることができました。


〜ライバル視している強豪国はあるのでしょうか。〜

強豪国はインドネシアです。試合出場回数は少ないですが、どのカテゴリーでも高ポイントを獲得しているので、対戦相手として注意が必要です。それから中国です。中国は国際試合に年1度ぐらいしか出場しないので、データがなく、研究が出来ないため、ライバル視というわけではないのですが、気を付けています。


〜東京2020大会パラリンピックに向けての目標、課題はなんですか。〜

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目標は、やはりメダル獲得です。出場種目として男子シングルスと混合ダブルスを見据えているので、自分は特に混合ダブルスのペア練習を強化して、出場資格に届くように実績を積み上げていきたいと思います。2020年は、東京の国立代々木競技場の体育館で開催されるので、数多くの方に応援に来ていただきたいです。皆さんの声援が、ものすごく力になります。


〜パラバドミントンの魅力はどこでしょうか。〜

パラバドミントンにはカテゴリーが車いす、下肢障害、上肢障害、低身長とあり、どのカテゴリーも21点の2ゲーム先取となっています。それぞれカテゴリーごとのゲームの駆け引きに注目しながら観戦してもらいたいです。


〜競技と仕事の両立はどうされていますか。〜

2018年10月に日本オラクル株式会社にアスリート雇用で転職をしました。そのため今は、朝から江戸川区の体育館で練習に専念できるようになりました。それ以前は、両立が厳しかったです。仕事後に練習をしなければならず、18時まで勤務してから練習をし、帰宅は深夜になる、という生活を送っていました。


〜休日や空いた時間は何をしていますか。〜

高校2年生の息子が熊本県内でバドミントンをやっているので、時間がある時は、福岡の家に帰って息子の試合を観に行きます。予選会、県大会、九州大会、全国大会と応援に行くのが楽しみです。攻め方、レシーブ、ポイントの取り方等、いろいろ息子と話をしています。


〜競技以外の趣味や楽しみなどはありますか。〜

福岡県内を自家用車でドライブすることです。東京では電車移動ですので、車を運転している時はすごくリラックスできます。あとは魚料理にハマっています。日本障がい者バドミントン連盟の栄養士さんから魚を食べるよう指導されていることもあり、魚を美味しく食べることができるよう色々工夫しています。特に好きな魚はサーモンです。


〜東京でお気に入りの場所、おすすめの場所はありますか。〜

家族を連れて行った六本木ヒルズの展望施設です。自分も最初に来た時は、眼下に広がる景色がとても綺麗だなと感動しました。地元の福岡タワーからの眺望も綺麗ですが、六本木はさらに綺麗でしたね。


〜スポーツにチャレンジしてみたい障害者の皆さんにアドバイスをお願いします。〜

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スポーツを始めたい気持ちがある時は、まずは近くの障害者スポーツセンターに行って相談してみてください。そこで知り合いが出来たり、障害に関わらずスポーツをやっている人たちの輪に入ることが出来ると思います。まずは足を運んでみることをお薦めします。


〜2019年の目標をお願いします。〜

8月にスイスで世界選手権があります。それまでに、トルコ、ドバイ、ウガンダ、アイルランドと4つの国際大会に出場して、そこでポイントを獲得して、世界選手権出場資格の世界ランキング32位以内を目指します。まずは、この4大会で成績を残して世界選手権に是非出場したいです。

インタビューでは、1問1問、丁寧にお話しいただいた浦選手ですが、バドミントン界で大活躍の息子さんの話になると、ちょっと嬉しそうに父親の顔になっていたのが印象的でした。10月から競技に専念できる環境となり、さらに練習に身が入ったという浦選手。是非とも東京2020大会で活躍されることを期待しています。

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