東京アスリート認定選手・インタビュー(17)石垣優香選手(北区・千代田区) ボート (2017/9/7)

石垣選手の写真1 
【プロフィール】
  • いしがき・ゆうか 1999年2月19日 東京都立本所高等学校卒業 法政大学在学中
  • 国民体育大会 クォドルプル 4位(2016)
  • 世界ジュニアボート選手権大会 ダブルスカル 総合11位(2017)
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スポーツでトップを目指したい。ボートの世界へ飛び込むことを決意。

中学時代は、陸上選手として100mと100mハードルで活躍してきた石垣優香選手。しかし、思うような結果が残せず、高校進学後も陸上競技を続けるか悩んでいた。
そんな時に、東京都が実施する「トップアスリート発掘・育成事業(※1)」に応募し、 4期生に認定され、ボートと出会った。元々、スポーツでもっと上の世界を見てみたいという思いが強くあった石垣選手。個人戦の陸上競技とは違い、チーム戦のボート競技。誰かと共に上を目指すという、 今まで経験した事のない戦い方に惹かれ、迷わずボート競技への転向を決めた。(※2)

石垣選手の写真2

ボート競技への転向は、高校・大学進学にも大きく影響した。
競技転向前は、目標を見失い高校進学について悩んでいたが、ボートと出会ったことにより、新たな目標ができ、高校選びもスムーズに決まった。この時期にボートに出会えたことが、大きな転機になった。

 

周囲の支えと、悔しさをバネに練習に打ち込んだ1年。

ボート競技への転向を決めた石垣選手は、強くなりたいという一心で練習に励んできた。しかし、ボートに打ち込めば打ち込むほど、学業との両立という壁が立ちはだかった。
高校時代は勉強よりもボートの練習を優先していたため、あまり授業を受けることが出来なかった。そんな時に力を貸してくれたのが、クラスメイトや仲の良い友人だった。授業のノートを貸してくれたり、テスト前には一緒に勉強をしながら教えてもらったり。
「手を差し伸べ支えてくれる友人がいなければ、学業との両立どころか、今の私は居なかったと思います。」
石垣選手の現在の活躍は、こうした周りの支えがあったからこそなのだ。

石垣選手の写真3

また、高校3年生の時に悔しい経験をしたことも、現在の活躍に繋がっている。
 トップアスリート発掘・育成事業でボート競技をはじめた同期の選手の中で、石垣選手だけ『東京アスリート認定選手』に選ばれなかったのだ。
「その時は本当に悔しくて…。」
それからの1年間は悔しさをバネに、『東京アスリート認定選手』に選ばれることを目標にひたすら練習に励んだ。
「今年度の認定選手に選ばれた時は本当に嬉しかったです。努力は嘘をつかないと、この時学んだように思います。」
石垣選手は笑顔で語った。


そして世界の舞台へ。”戦う苦しさの先にある楽しさ”を実感。

今年の8月、石垣選手は初めて世界ジュニア選手権に出場した。
大学へ進学し、U19代表、東京アスリート認定選手にも選ばれることで、世界を目指す選手としての自覚を持ち、今までとは違ったアプローチの練習に励んできた石垣選手にとって、この世界大会に掛ける思いは誰よりも強くあった。
日本代表の練習では、フランスなどで主流のB1トレーニングを取り入れている。このトレーニングはオールの回転数を管理し、オール一本一本の質を高めるもので、心拍数も徹底的に管理することができる。低レートかつ心拍数を高い位置に保つ必要があり、 これが見た目以上にハードだ。今まで、がむしゃらに体力のみで戦ってきた石垣選手にとって全く違った戦い方であり、新たな挑戦でもあった。

そんな、ハードな練習をこなし、普段は試合前も緊張しない石垣選手でも、世界という大きな壁を前にし、さすがに緊張を隠せなかった。
「世界ジュニア選手権は、私よりも数倍体格が良い選手ばかりで、レース前から会場の空気感や選手の勢いに圧倒されてしまいました。」
試合前日の夜は、未知の世界に飛び込んでいく怖さと、これまで支え応援してきてくれた人の顔が浮かび、今までに感じたことのない緊張感に襲われた。しかし、大会当日は昨晩の緊張どこへやら。
「自分たちが練習で培ってきた技術でどこまで世界の選手と戦えるのかと、ワクワクした想いで、試合に臨むことができました。」

この世界ジュニア選手権(※3)では、B決勝(6位~12位を決める順位決定戦のこと)を目標に練習に励んできた。その目標を叶えるために、”どうしても負けられない”と強い気持ちで臨んだ準々決勝。
3位以内が準決勝進出。予選のタイムでは3位。4位の選手とは安心できる秒差はついておらず、気が抜けない、非常に厳しいレースだった。
「すごく辛い戦いでしたが、3位でゴールした後は、楽しかったという思いが一番強かったです。」
メンタルの強さも石垣選手の強さの一つのようだ。


世界の舞台で戦う確かな手ごたえ。そして次のステージへ。

石垣選手の写真3

これまで、日本人選手は体力が持たず、ラストスパートが弱いと言われてきた。しかし、石垣選手は今回の世界ジュニア選手権で、 レース中は辛くても、体力には余裕があり、ラストスパートは世界でも通用する、自分たちの戦い方の質が高くなったと確かな手ごたえを感じたようだ。
自分たちが世界の選手と同等に戦える位置にまできていると実感した石垣選手は、すでに次のステージを見据えている。
「(世界ジュニア選手権の)会場の熱気と大きな声援に、ただただ楽しくて。また、このような国際舞台に立ちたいと強く思いました。 10月にはアジアジュニア選手権(※4)が控えているので、良い結果を残せるよう、更に練習に励んでいきたいです。」

そして、石垣選手の競技にかける熱い思いは2020年に開催される東京オリンピックへ続く。
「もしかしたら2020年に日本代表になるのは間に合わないかもしれません。でも、その次のオリンピックに繋がると信じ、日々練習に励んでいきます。」
今後の石垣選手の活躍が楽しみだ。


【石垣優香選手の勝負飯!】

休日は、競技のことは考えず、部の仲間や友達と食べ歩きをするほど食べることが大好きな石垣選手。そんな石垣選手の勝負飯は、ズバリ”部活のマネージャーが日替わりで作るご飯”。 特に、「韓国風の甘ダレがかかった唐揚げの日は、テンションが上がり、練習にも力が入ります!」とチャーミングな一面も。また、先輩の家でご飯をご馳走になることもあるなど、 石垣選手の所属するボート部は1年~4年生の仲が良いようだ。


【石垣選手一押しのボート競技の見どころ】

世界大会で驚いたのが、各ボートにレートを計測する装置がついており、観客もそれを見ながら勝敗の行方を追うことができるんです。その計測を見ると大体どのチームが勝つかは分かるのですが、 そこは世界大会。どんでん返しな結果になることもあり、ついついレースに釘付けになってしまいます。そして、何と言ってもボート競技の見どころといえば”ラストスパート”です。 一秒の差で結果が決まる競技なので、ゴールまで目が離せません。是非、みなさんもゴール直前のラストスパートに注目してみてください。

(※1)トップアスリート発掘・育成事業
https://www.sports-tokyo.info/tokyojrathlete.html

(※2)ボート競技についてもっと知りたい!!https://www.2020games.metro.tokyo.jp/taikaijyunbi/taikai/syumoku/games-olympics/rowing/index.html

(公財)日本ボート協会http://www.jara.or.jp/

(※3)石垣選手が出場した世界ジュニア選手権JW2x(女子ダブルスカル)の勝ち上が
り方について

  • ・予選 上位4位までQuaterfinal(準々決勝)へ進出
  • ・準々決勝 3位までSemifinal A/B(準決勝A/B)へ進出
  • ・準決勝A/B 3位まで決勝Aへ、4位~6位は決勝Bへ
  • ⇒ 最終総合11位
 

(※4)「アジアジュニア選手権」での石垣選手の活躍を、皆で応援しよう!
 2017年のアジアジュニア選手権は、10月11日(水)〜11月14日(土)シン
 ガポールにて開催されます。