首都大学東京ラグビー部インタビュー

ラグビーの魅力は無限大!
~首都大学東京ラグビー部の部員が語るラグビーへの熱い思い~

首都大学東京ラグビー部は、1958年に創立され、現在はプレイヤー26名、マネージャー8名の計34名で活動をしている。スローガンは"Go forward ! "。常に前を向いて精進できるようにという意味が込められている。決して大きな部ではなく、監督もいないが、だからこそ部員同士の絆は強い。経験者・初心者関係なく、日々チームの方向性やゲームの戦略について議論を重ね、「自分たちのラグビー」を追求している。
監督がいない中で、選手たちはどのような心持ちで日々ラグビーに取り組んでいるのか。首都大学東京ラグビー部を支えるキャプテンの稲葉幸俊さん、副キャプテン兼FW(フォワード)リーダーの平野諒さん、副キャプテン兼BK(バックス)リーダーの梶川大介さんにインタビューし、ラグビー部への思いやラグビーとの出会い、2019年にラグビーワールドカップを日本で迎えるにあたっての現在の心境などについて語ってもらった。

3人の選手がたっている写真

今のラグビー部の好きなところを教えていただけますか。

稲葉 「人数がそんなに多くないですし、強豪校でもないんですが、皆一人ひとりラグビーが好きっていうのが伝わってきます。あと、みんな子供っぽい。ランメニューの最後に辛いフィットネスがあるのですが、この間もみんな無邪気に笑いながらやっていました。少年っぽい、素直な人が多くて。仲いい時は仲良く、しっかりやるときはしっかりやるという雰囲気が好きです。」

平野 「いまキャプテンも言っていましたが、やはり人ですね。もちろん仲はいいのですが、その仲の良さが決して馴れ合いではなくて良い意味で個人個人が自立していて、追い込むときは皆で盛り立てて追い込むし、けど練習が終わったら皆でご飯食べに行くし。お酒飲みに行くときはとても良い雰囲気ですごく楽しいです。全員が程良い距離感を持っているし、グラウンドに出るのが全然嫌にならない、ラグビーを一緒にやっていて楽しいなと思えるメンバーです。プレイヤーもマネージャーも全員仲が良い、いいチームだと思います。」

梶川「良い意味で上下関係がしっかりしていないところです。体育会系の部活というと、上下関係が激しくて常にビクビクしながら先輩たちと接するみたいなイメージを、自分は大学に入る前まで持っていたんですが、いざ入ってみたら、先輩たちは優しく接してくださいました。そのおかげで自分たちも後輩たちに歩み寄るようにしていますが、後輩もそれに応えてくれる。しかし、決して馴れ合いがあるわけでもなく、練習中や試合中は、厳しいことを言うこともありますし、良い環境の中でラグビーができていると実感しています。」

稲葉「後輩であっても、ラグビーについての意見がしやすい環境ではあるなと思います。自分は主将ですが、後輩に『それ違う』と言われることもあります。皆が皆、指示された練習をただこなすというよりは、監督がいないというのもあるんですけど、みんなで意見を出し合いながら、みんなで成長していく部分もすごく良い所だなと。」

平野「強豪校とかは、監督がドシッと構えていて、こういうラグビーでいこうと監督の方針でラグビーをすると思うんですけど、僕たちは監督がいないから、僕らがどういうラグビーをやりたいのかをみんなで試行錯誤しながら、そのラグビーをするためにはどのようなことをすればいいのかを考えて練習に取り入れたり、意見し合ったりできる環境にあります。押さえつけられて勝つラグビーももちろん良いと思いますが、自分たちのやりたいラグビーで試合に勝てる楽しみや喜びを感じられるのもこのチームならではかなと思います。」

監督を置いていないということは、コーチがいらっしゃるのでしょうか。

稲葉「外部コーチが週1の頻度で来てくださっています。練習が終わったあとに自分たちで反省点を出して、その反省点に対してコーチからアドバイスをもらって、今後の練習メニューを聞いて、自分たちで練習するという感じです。」

3人紹介写真

ラグビーはいつごろ、どのようなきっかけで始めたのでしょうか。

稲葉「大学からです。仲良しのいとこが花園に選手として出ていて、ラグビーやってる人ってかっこいいなというイメージはありました。それで大学に来て、ラグビー部を見に行ってみたときに、ラグビー部員がいとこと似ていて良い意味で男臭いのがかっこいいなと思って始めました。それまではバレーボールと野球をやっていました。」

梶川「高校からです。小学校でサッカー、中学校で野球をやっていたので、高校に入るときには、野球を続けようと思っていた。ですが、高校野球ってやっぱり坊主にならないといけないじゃないですか。それがイヤで。自分は中学校からラグビーをやっていた兄がいるんですが、冗談半分で兄に、ラグビーやってみようかなと言ったら、お前じゃ無理だと言われました。根性無いからと。それが悔しくてラグビー部に入りましたね。」

平野「中2からです。当時仲が良かった子が、小学校のころからラグビーをやっていて、僕は中高一貫校でその子と高3までずっと一緒にラグビーをやりました。ですが、僕は中学入学時は最初テニス部に入ったんです。しかし、テニス部は人数が90人くらいいて、1日5球くらいしか打てない環境で、こんなのやってる意味がないなと思って、そこから1年くらい帰宅部に。その間も、そのラグビーの友達が、1回だけでもグラウンド来いよ、とずっと勧誘をしてきて。うるさいからとりあえず1回行ってみようと思ったのと、当時中2のときの体育の先生が高校ラグビー部の監督だったのですが、その先生からも声をかけられたのとタイミングが合致しました。それでラグビー部に行ってみたら、僕は昔から体を動かすことは好きですし、ラグビー部の友達も何人かいたので、居心地が良くて、気付いたらラグビーを続けてたという感じです。

ラグビーを実際にやってみて、どう感じましたか。

稲葉「一番面白いスポーツだと思います。15人という大人数で、体格が全然違う人もいるじゃないですか。スクラムハーフは小さかったり。誰にでも活躍できる場があるんです。性格も役割も違う人たちで、15人も集まって勝利を目指すという部分がかっこいいと思います。『仲間のために体を張る』という言葉がありますが、ラグビーはまさにこれですね。」

インタビュー中の様子の写真

梶川「ルールが多いなと思いました。一般的にボールを前に落としてはいけない、パスを前に放ってはいけないくらいは分かっていたんですけれども、他にももっと色んな種類があって。オフサイドでも4,5種類くらいあり、最初は覚えるのが大変でした。どうやって動けばいいのかも分からなかったし。前に行っては後ろに下がって、っていうのが慣れなかったですね。」

平野「15人×2+レフリーの計31人がフィールドに出てるスポーツってなかなかない。ラグビーは、大きい身体をぶつけ合っている人もいれば、華麗なパスまわしやキックで魅せる人など一人ひとり色々な個性があり、誰でも活躍できるスポーツなんです。色んな人がいますが、一つのボールをつないでトライにつなげるという目標は一つ。稲葉キャプテンはウイングというポジションで、ボールを持って外で走り抜けて最後にトライを決めるっていうかっこいいポジションなんですけれども、キャプテンにボールをつなげるために、センターの梶川がうまいパスをつなげたり、その前にフォワードが相手と体をぶつけて、体を張ったりという一つのボールをトライにつなげる一連の流れがすごく良いなと思います。それにとりつかれてしまって気づいたら中2から今まで7,8年やっています。」

今までで一番心に残っている試合はなんでしょうか。

平野「高校の大会は、1月に新人戦、春に関東大会予選、秋冬に花園予選と1年に3回あるのですが、高校最後で負けた相手が、新人戦でも春も、僕らが勝ったところでした。1年に3度ある試合の全てでそこと当たって、最後だけ負けたという悔しさがすごくあった。もうこんな思いをしたくないというところから、大学でもラグビーを続けることにつながりました。」

梶川「高1で、一番最初にトライを取った試合。そのトライがすごく嬉しくて。今でもラグビーやっているのは、やっぱり試合でトライを取りたい、その時の気持ちを味わいたいという気持ちが強いです。この思いがこれまでラグビーをやってきた6年間を支え続けてくれてるのかなという感じはしますね。」

プレー中の写真

稲葉「僕が大学2年のころに、ポジションが同じでよく教えてくれた4年生の先輩がいたのですが、その先輩の引退試合です。僕はそのシーズン、リーグ戦で靭帯をケガしてずっと試合に出れなかった。大学に入って最初の1年間は試合に出れずに悔しい思いして、2年生になってようやく試合に出始めてこれから、というときにケガをして、正直そのシーズンはすごく萎えてしまっていました。先輩の最後の試合にも、ケガが治っていないし出れないなと思っていて、気持ちも乗ってなくて。ですが、先輩に出させてもらったんです。そのあとの飲みの場で、引退試合だったから、お前と両ウイング組みたかったんだって言ってくれて。その先輩と一緒に11番と14番で両ウイングを組めて良かったという思いで印象に残っている試合です。」

ラグビーワールドカップが2019年に日本、東京で開催されますが、日本(東京)開催に対する思いを教えてください。

平野「ラグビーワールドカップが今年の9月にイングランドで開催されるということで、最近テレビ番組などで、色々な特集を目にしたり、それを見たよという人から声をかけられたりします。ですけれども、一般の人にラグビーって、そこまで周知されていない。多分認知度も、ラグビーは知っているけれど、見るほどでもないというところがあると思うんです。ラグビーは、色々な要素が詰まったとても面白いスポーツだし、まして2019年に日本で開催されます。今は80年代と比べると、ラグビー人口が減っていて、高校生のラグビーの部活数もものすごく少なくなってしまいました。4年後にはもっとラグビーが普及して、もっといろんな人に知ってもらって、盛り上がった大会になればなと。
僕自身も、ラグビーを通して本当にいろんな人と出会っていろんな人にお世話になったので、そういう人たちに出会わせてくれたラグビーに何かしらの形で恩返しができたらなって思います。あと、せっかくの自国開催なので、大学で出会った仲間や高校で一緒にラグビーをやっていた人たちと一緒に、ラグビーワールドカップ日本代表の試合を見に行きたいです。」

稲葉「親の代に話を聞くと、昔はもっとラグビー盛り上がってたんだぞという話をされるんですよ。最近はサッカーとか野球とかの方がすごく人気で。でもサッカーって、やっぱり日韓ワールドカップあたりから人気が出始めたのではないかなと思うんです。今後2019年にラグビーワールドカップが日本で開催されますし、2016年からはスーパーラグビーにも日本から1チームが参加できるとのことで、いい雰囲気というか、いいサイクルに入っている。どんどん盛り上がって、ラグビーを好きになってくれる人とやる人が増えればと思います。 あと、サッカーの時ってベッカムとかすごく人気だったじゃないですか。ラグビー選手でもイケメンの選手が多いと思うので、そういうイケメン選手を集めて、女の人たちにもキャーキャー言ってもらう。方法は何でもいいので、とにかく皆さんがラグビーに興味を持ってくれるような働きかけが大切かなと思っています。」

梶川「自分の理想の4年後としては、ラグビーの試合があった次の日に、高校生とかが『昨日の試合見た?』とか、今サッカーの試合後に交わされているような会話がラグビーでもされたらいいなと思いますね。『昨日の日本良かったね。』『でもスコットランドの方がもっと良かったね。』というような話ができるような4年後がくれば自分は嬉しいです。まずは周知というか、興味を持って頂くことが一番だと思います。このあと自国開催まで4年あるので、自分もまあ、その時は大学院に行っちゃったらまだ学生なんですけど、もし社会人になっていたら、ちょっとでもラグビーに携われればいいかなと思いますね。」

稲葉「ラグビーをやっている人とか、詳しい人が他の人を巻き込むことが大切かなと思います。ラグビーって多分、知らない人が見ても、ルールが難しくてそんなに面白くないと思うんですよ。ルールがわかってくると、80分の試合ですけどずっと見ていられます。分かっている人たちが、どんどん試合を見に連れて行ったり、スポーツバーに行ったり、Jスポーツで見せてあげたりしていけば誰でも絶対はまってくれるくらい面白いスポーツだと思います。4年後、自分は社会人になっていると思いますが、地域のラグビースクールで教えるなど何らかの形でラグビーには携わっていたいですね。」

本日はどうもありがとうございました。皆さんのラグビー愛を大いに感じました。今後も、2019年のラグビーワールドカップへ向けて、ゆりーとと一緒に盛り上げていきましょう!

ゆりーとを持つ選手の写真